要点

  • 法人向けVPNは月額 500〜1,500 円/人で導入でき、情報漏洩リスクを大幅に低減できます。
  • 2026年は NordVPN・Surfshark・NordLayer・Cisco AnyConnect・SoftEther の5製品が中小企業で特に支持されています。
  • 稟議書には「通信経路の暗号化による ISMS 対応」と「VPN 未導入時の想定被害額」を記載すると承認率が上がります。

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この記事でわかること

  1. 法人向け VPN と個人向け VPN の違いと、2026年に求められる選定基準
  2. おすすめ法人向け VPN 5製品の料金・機能・セキュリティを比較した一覧表
  3. 中小企業が稟議書に記載すべき ROI・コンプライアンスのポイント
  4. 導入規模別(10名・50名・100名)に最適な VPN の選び方
  5. よくある質問と失敗しないための注意点

法人向け VPN とは?個人向けとの違いを整理する

VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に暗号化されたトンネルを構築し、安全な通信を実現する技術です。個人向け VPN がプライバシー保護や地域制限の回避を主目的とするのに対し、法人向け VPN はリモートワーク環境での社内ネットワークへの安全なアクセス、従業員ごとのアクセス制御、そして管理者によるアカウント一括管理が主要な目的となります。

2026年現在、テレワークやハイブリッドワークの定着に伴い、中小企業でも VPN の導入は「あると便利」なものから「なければ情報セキュリティ上のリスク」となるものへ変化しています。特に改正個人情報保護法や ISMS(Information Security Management System)認証の取得を目指す企業にとっては、通信経路の暗号化は必須要件です。

法人向け VPN を選ぶ際には、以下の5つの基準を押さえておく必要があります。

選定基準 確認すべきポイント
暗号化方式 AES-256 対応か、プロトコルは WireGuard / OpenVPN / IKEv2 のいずれか
管理機能 管理者ダッシュボード・ユーザー追加削除・アクセスログ取得
同時接続数 1ライセンスあたりの接続デバイス数、追加コスト
サポート体制 日本語対応・24時間チャット・専任担当の有無
コンプライアンス ノーログポリシー・データ保管場所・第三者監査の有無

2026年おすすめ法人向け VPN 5選の主要機能・特徴

NordVPN — コストパフォーマンスと信頼性のバランスが優秀

NordVPN は世界で 1,400万人以上が利用するVPN サービスで、法人・個人を問わず高い評価を受けています。AES-256 暗号化と独自プロトコル NordLynx(WireGuard ベース)により、高速かつ安全な通信を実現します。1アカウントで最大10台のデバイスに接続でき、小規模チームであれば個人プランの法人利用でもコストを抑えられます。パナマ法人のためデータ保持義務がなく、ノーログポリシーは独立監査法人による検証済みです。

Surfshark — 接続台数無制限で急成長する中小企業に最適

Surfshark の最大の強みは、1アカウントでの同時接続台数に制限がない点です。従業員が増えてもライセンスを追加する必要がなく、成長フェーズにある中小企業のコスト管理に適しています。CleanWeb 機能によるマルウェア・広告ブロックも標準搭載されており、エンドポイントセキュリティの補助的な役割も果たします。100か国以上にサーバーを展開し、海外拠点との通信にも対応できます。

NordLayer — ゼロトラスト対応の本格法人向けソリューション

NordLayer は NordVPN を運営する Nord Security が提供する法人専用の VPN / ZTNA(Zero Trust Network Access)ソリューションです。専用管理者ダッシュボードでユーザー・チーム・権限を一元管理でき、SAML / SSO 連携にも対応しています。従業員規模 30名以上の企業で、ISMS やプライバシーマーク取得を視野に入れているケースに最適です。

Cisco AnyConnect — エンタープライズ品質を中堅企業にも

Cisco AnyConnect(Cisco Secure Client)は、大企業での導入実績が豊富な VPN ソリューションです。IPsec と SSL-VPN の双方に対応し、既存の Cisco ネットワーク機器との統合が容易です。中堅企業で Cisco ルーターやファイアウォールをすでに導入している場合、追加コストを抑えながら VPN 環境を構築できます。一方、初期設定の複雑さや専門知識の必要性はデメリットとなり得ます。

SoftEther VPN — 国産オープンソースで自社運用したい企業向け

SoftEther VPN は筑波大学発のオープンソース VPN ソフトウェアで、ライセンス費用が無料です。L2TP / IPsec / OpenVPN / SSTP など複数のプロトコルに対応し、Windows・macOS・Linux・iOS・Android で動作します。自社サーバーで VPN を運用したい企業や、クラウド VPN に社内データを通過させることに懸念がある企業に適しています。ただし、構築・運用には IT 技術者のリソースが必要です。


法人向け VPN の料金プランを比較する

項目 NordVPN(Complete) Surfshark(One) NordLayer(Core) Cisco AnyConnect SoftEther VPN
月額料金(1ユーザー) 約 620 円(2年プラン) 約 459 円(2年プラン) 約 1,120 円(年払い) 要問い合わせ 無料(OSS)
年額換算(1ユーザー) 約 7,440 円 約 5,508 円 約 13,440 円 個別見積もり 0 円
最低契約期間 1か月〜 1か月〜 1年〜 1年〜 なし
同時接続台数 10台 無制限 ユーザー単位 ライセンス単位 無制限
無料トライアル 30日間返金保証 30日間返金保証 14日間無料 要相談 常時無料

※ 料金は2026年3月時点の公式サイト掲載情報に基づく概算です。為替レートや割引キャンペーンにより変動する場合があります。

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競合製品との詳細比較表

比較項目 NordVPN Surfshark NordLayer Cisco AnyConnect SoftEther VPN
暗号化方式 AES-256 AES-256 AES-256 AES-256 AES-256
主要プロトコル NordLynx / OpenVPN WireGuard / OpenVPN NordLynx / OpenVPN / IKEv2 IPsec / SSL-VPN L2TP / IPsec / OpenVPN / SSTP
管理者ダッシュボード △(個人向け設計) △(個人向け設計) ◎(法人専用) ◎(Cisco 統合管理) △(自社構築)
SSO / SAML 連携
ノーログポリシー ◎(第三者監査済み) ◎(第三者監査済み) ◎(第三者監査済み) △(企業ポリシー依存) ◎(自社サーバー)
サーバー設置国数 111か国以上 100か国以上 30か国以上 自社拠点依存 自社拠点依存
日本語サポート ◯(メール・チャット) ◯(メール・チャット) ◯(メール) ◯(代理店経由) △(コミュニティ)
導入の容易さ ◎(アプリ配布のみ) ◎(アプリ配布のみ) ◯(管理者設定が必要) △(専門知識が必要) ✕(サーバー構築が必要)
月額コスト目安 約 620 円/人 約 459 円/人 約 1,120 円/人 個別見積もり 0 円(運用人件費別)
おすすめ企業規模 10〜50名 10〜100名 30〜500名 100名以上 IT技術者在籍企業

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法人向け VPN のメリット・デメリット

メリット

  • テレワーク環境でも社内ネットワークと同等のセキュリティレベルを確保できます
  • 通信の暗号化により、公衆 Wi-Fi 利用時の情報漏洩リスクを大幅に低減できます
  • ISMS やプライバシーマーク取得時の「通信経路の安全性確保」要件を満たせます
  • 海外拠点や出張先からも安全に社内システムへアクセスでき、業務の継続性が高まります
  • クラウド VPN であれば専用機器が不要で、月額 500〜1,500 円/人で導入できます

デメリット

  • VPN 経由の通信はわずかに速度が低下する場合があります(通常 5〜15% 程度)
  • 海外サービスの場合、日本語サポートの対応時間が限られることがあります
  • 従業員への利用ルール周知や接続トラブル対応など、運用上の管理工数が発生します

こんな企業・ユーザーにおすすめ

テレワーク中心の小規模チーム(10〜30名)

コストを最優先に抑えたい場合は Surfshark が最適です。同時接続台数無制限のため、1ライセンスで全デバイスをカバーできます。設定もアプリをインストールするだけなので、専任の IT 担当者がいなくても運用できます。

セキュリティ基準の取得を目指す中規模企業(30〜100名)

ISMS 取得やゼロトラストアーキテクチャ(Zero Trust Architecture)への移行を検討している企業には NordLayer を推奨します。管理者ダッシュボードでアクセス権限を一元管理でき、監査対応に必要なログも取得可能です。

コスト効率とセキュリティのバランスを重視する企業(10〜50名)

初めて法人向け VPN を導入する企業には NordVPN がバランスの良い選択肢です。30日間の返金保証があるためリスクなく試用でき、NordLynx プロトコルによる高速通信で従業員の業務効率を損ないません。


稟議書に使えるポイント

  1. コスト効果: NordVPN であれば月額 約 620 円/人、50名規模で年間約 37万円の投資です。情報漏洩インシデント1件あたりの平均被害額は中小企業で 数百万円〜数千万円(JNSA 調査参考)とされており、VPN 導入は費用対効果の高い予防策といえます。

  2. コンプライアンス対応: 通信経路の AES-256 暗号化は、ISMS(ISO 27001)の「A.13.1 ネットワークセキュリティ管理」および改正個人情報保護法における「安全管理措置」の技術的対策として有効です。監査時にノーログポリシーの第三者検証レポートを提出できる点も評価されます。

  3. 導入実績と信頼性: NordVPN は世界 1,400万人以上のユーザー基盤を持ち、Surfshark は統合後の Nord Security グループとして企業価値が向上しています。NordLayer は既に数千社の法人導入実績があり、グローバルでの利用事例を稟議の裏付けとして活用できます。


よくある質問

法人向け VPN と個人向け VPN は何が違いますか?

法人向け VPN は、管理者が従業員のアカウントを一括で作成・削除できる管理機能、アクセスログの取得、SSO(Single Sign-On)との連携など、組織運用に必要な機能を備えています。個人向け VPN はプライバシー保護が主目的であり、組織的な管理機能は基本的に搭載されていません。ただし NordVPN や Surfshark のように、小規模チームであれば個人プランを法人利用するケースも実務上は見られます。

中小企業でも VPN は本当に必要ですか?

テレワークやクラウドサービスを利用している企業であれば、企業規模に関係なく VPN の導入を推奨します。特にカフェやコワーキングスペースの公衆 Wi-Fi 経由での社内システムアクセスは、通信傍受のリスクが高い行為です。改正個人情報保護法では、個人データを取り扱う企業に対して「安全管理措置」の実施が義務付けられており、VPN はその具体的な技術対策の一つとして位置づけられます。

VPN を導入すると通信速度は遅くなりますか?

暗号化処理が加わるため、VPN 未使用時と比較して 5〜15% 程度の速度低下が一般的です。ただし NordVPN の NordLynx や Surfshark の WireGuard プロトコルは、従来の OpenVPN と比較して大幅に高速化されており、ビデオ会議やクラウドアプリの利用に支障が出ることは通常ありません。サーバー拠点が日本国内にあるサービスを選ぶことで、レイテンシをさらに抑えることができます。

NordVPN と NordLayer はどちらを選ぶべきですか?

従業員30名未満の小規模チームで、まず基本的な通信暗号化を実現したい場合は NordVPN が適しています。一方、30名以上の組織で、ユーザー権限の一元管理・SSO 連携・ゼロトラスト対応が必要な場合は NordLayer を選ぶべきです。NordLayer は法人専用に設計されており、管理者ダッシュボードや監査ログなどエンタープライズグレードの機能を利用できます。

無料の VPN を法人利用しても問題ありませんか?

無料 VPN の多くは、運営コストを広告表示やユーザーデータの第三者提供で賄っています。通信内容が記録・販売されるリスクがあり、法人利用にはセキュリティ上およびコンプライアンス上の問題があります。SoftEther VPN のようなオープンソースの無料ソフトウェアであれば安全性は担保できますが、構築・運用には IT 技術者のリソースと人件費が必要です。


まとめ — 2026年の法人向け VPN は「導入しない理由」がなくなった

2026年現在、月額 500円程度から導入できる法人向け VPN は、中小企業にとってコストの障壁がほぼなくなりました。テレワークの常態化、改正個人情報保護法の施行強化、そして ISMS 取得企業の増加により、通信経路の暗号化は「あると安心」ではなく「ないとリスク」の時代に入っています。

小規模チームにはコストパフォーマンスに優れた NordVPN や接続台数無制限の Surfshark、ゼロトラストを見据えた中規模組織には NordLayer がそれぞれ最適です。いずれも無料トライアルまたは返金保証期間が用意されていますので、まずは実際の業務環境でテストし、自社に合ったサービスを見極めてください。

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この記事の根拠

※ 本記事に掲載の料金・機能は執筆時点の情報に基づいており、最新情報は各公式サイトでご確認ください。