要点
- Proton VPN Business はスイス拠点・ノーログポリシーで、GDPR 準拠を重視する法人に評価が高い VPN サービスです
- 管理者コンソールで最大 500 ユーザーを一元管理でき、月額 1 ユーザーあたり約 6.99 USD から導入できます
- 日本語サポートが限定的な点がデメリットですが、オープンソース設計と第三者監査による透明性は業界トップクラスです
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この記事でわかること
- Proton VPN ビジネスプランの主要機能と他プランとの違い
- 実際の利用者から寄せられている評判・口コミの傾向
- NordVPN・Surfshark など競合 VPN との料金・機能比較
- 日本企業が導入する際の注意点と稟議書に使える具体的数値
- 管理者コンソールの運用イメージと IT 工数への影響
Proton VPN Business とは?スイス発の法人向け VPN サービス
Proton VPN は、暗号化メールサービス Proton Mail で知られるスイスの Proton AG が提供する VPN(Virtual Private Network)サービスです。スイスの厳格なプライバシー法の下で運営されており、ノーログポリシー(通信記録を一切保存しない方針) を掲げています。
ビジネスプランは、個人向けプランの機能に加え、専用の管理者コンソール・一括ユーザー管理・専用サーバーアクセスなどの法人向け機能を搭載しています。110 か国以上に 6,500 台以上のサーバーを展開しており、海外拠点との通信やリモートワーク環境の構築に活用されています。
オープンソースで開発されたクライアントアプリは、第三者機関(Securitum 等)によるセキュリティ監査を受けており、コードの透明性を重視する企業から高い評価を得ています。
Proton VPN Business の主要機能・特徴
オープンソース設計と第三者監査による信頼性
Proton VPN のクライアントアプリはすべてオープンソースとして GitHub 上で公開されています。2024 年以降も継続的に第三者監査を実施しており、脆弱性の早期発見と修正が行われています。競合サービスの多くがクローズドソースである中、この透明性は法人のセキュリティ審査において大きなプラスとなります。
管理者コンソールによるユーザー一元管理
ビジネスプランでは、管理者が Web ベースのコンソールからユーザーの追加・削除・権限設定を一括で行えます。SAML(Security Assertion Markup Language)を利用した SSO(シングルサインオン)にも対応しており、既存の ID 管理基盤(Azure AD、Okta 等)との連携が可能です。ユーザー数の上限は契約により柔軟に調整でき、中小企業から数百名規模まで対応します。
Secure Core サーバーによる多重暗号化
Proton VPN 独自の「Secure Core」機能は、トラフィックをスイス・アイスランド・スウェーデンなどプライバシー保護に強い国のサーバーを経由させることで、多重暗号化(Multi-hop VPN) を実現します。通信経路上のサーバーが侵害された場合でも、最終的な通信元を特定されにくくなるため、機密性の高い業務に適しています。
VPN Accelerator による高速通信
独自の VPN Accelerator 技術により、サーバーとの距離が遠い場合でも通信速度の低下を最小限に抑えます。公式発表では最大 400% の速度向上を実現するとされており、海外拠点とのビデオ会議や大容量ファイル転送にも十分な帯域を確保できます。
広告・マルウェアブロック機能(NetShield)
NetShield 機能は DNS レベルで広告トラッカーやマルウェアドメインをブロックします。ビジネスプランではこの機能が標準で有効化されており、エンドポイントセキュリティの補助的な役割を果たします。
Proton VPN Business の料金プラン
| プラン | 月額料金(税別) | 年額契約時の月額 | ユーザー数 | 主な機能 |
|---|---|---|---|---|
| VPN Plus(個人向け) | 9.99 USD/人 | 4.99 USD/人 | 1 名 | 全サーバーアクセス・Secure Core・NetShield |
| VPN Business | 11.99 USD/人 | 6.99 USD/人 | 2 名〜 | 管理者コンソール・SSO 連携・専用サーバー |
| VPN Enterprise | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要相談 | 専用アカウントマネージャー・カスタム構成 |
※ 上記は 2026 年 7 月時点の公式サイト掲載情報に基づきます。為替レートや契約条件により変動する場合があります。
Proton VPN Business と競合 VPN の比較
| 比較項目 | Proton VPN Business | NordVPN Teams (NordLayer) | Surfshark | ExpressVPN |
|---|---|---|---|---|
| 月額料金(年額契約・1 ユーザー) | 6.99 USD | 8.00 USD〜 | 2.49 USD〜(個人) | 8.32 USD〜(個人) |
| 法人向け管理コンソール | ○ | ○ | △(法人プランは限定的) | ×(法人プランなし) |
| サーバー設置国数 | 110 か国以上 | 60 か国以上 | 100 か国以上 | 105 か国以上 |
| ノーログ第三者監査 | ○(Securitum) | ○(Deloitte) | ○(Deloitte) | ○(KPMG) |
| オープンソース | ○(全アプリ) | × | × | × |
| SSO(SAML)対応 | ○ | ○ | × | × |
| Secure Core(Multi-hop) | ○ | Double VPN | MultiHop | × |
| 日本語サポート | △(英語中心) | ○(日本語対応あり) | △(一部日本語) | △(一部日本語) |
| 本社所在地 | スイス | パナマ / リトアニア | オランダ | 英領ヴァージン諸島 |
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Proton VPN Business のメリット・デメリット
メリット
- スイスの厳格なプライバシー法による法的保護: EU の GDPR に加え、スイス連邦データ保護法(FADP)の適用を受けるため、データの法的保護レベルが高いです
- オープンソースによるコードの透明性: セキュリティ審査時に「ブラックボックスではない」と説明できるため、稟議時のリスク評価で有利です
- Secure Core による多重暗号化: 一般的な VPN の単一暗号化と比べ、国家レベルの監視に対しても耐性が高い設計です
- 管理者コンソールの操作性: ユーザー追加・削除が直感的に行え、SSO 連携で既存の ID 基盤と統合できます
- 無料プランの存在: 導入前に個人利用で動作検証が可能なため、技術評価のハードルが低くなります
デメリット
- 日本語サポートが限定的: カスタマーサポートは基本的に英語対応であり、日本語での問い合わせにはタイムラグが生じる場合があります
- 国内サーバー数が少なめ: 日本国内のサーバー拠点が東京中心で、NordVPN と比べるとサーバー数はやや少ない傾向です
- Enterprise プランの価格が非公開: 大規模導入時の見積もりに問い合わせが必要で、比較検討に時間がかかる場合があります
こんな企業・ユーザーにおすすめ
プライバシーとコンプライアンスを最重視する企業
GDPR 対応が求められる欧州取引先を持つ企業や、個人情報保護法への対応を強化したい企業には最適です。スイスの法的環境とノーログポリシーの組み合わせは、データ主権を重視する法務部門からも支持されています。
リモートワーク環境を整備中の中小企業(従業員 10〜100 名)
管理者コンソールで全社員の VPN 接続を一元管理でき、月額 6.99 USD/人(年額契約時)からと中小企業でも導入しやすい価格帯です。SSO 連携により、入退社時のアカウント管理工数も削減できます。
セキュリティ審査でオープンソース要件がある企業
金融機関やヘルスケア領域など、ベンダー選定時にソースコードの透明性が求められるケースでは、Proton VPN のオープンソース設計が大きなアドバンテージとなります。
稟議書に使えるポイント
- コスト根拠: VPN Business プランは年額契約で月額 6.99 USD/人(約 1,050 円/人 ※1 USD=150 円換算)。50 名規模で年間約 63 万円と試算でき、情報漏洩インシデントの平均被害額(IPA 調べで中小企業 1 件あたり数百万〜数千万円)と比較して十分な投資対効果があります
- コンプライアンス対応: スイス連邦データ保護法(FADP)および GDPR 準拠。第三者機関(Securitum)によるセキュリティ監査済み。全アプリのオープンソース公開により、ISMS(ISO 27001)のベンダー評価項目に対応しやすい設計です
- 導入実績と信頼性: Proton AG は全世界で 1 億ユーザー以上の利用実績(Proton 製品群全体)。CERN(欧州原子核研究機構)出身の研究者が創業し、欧州の公的機関・報道機関でも採用されています
よくある質問
Proton VPN Business は日本語で利用できますか?
Proton VPN のクライアントアプリは日本語に対応しており、設定画面や接続先の選択など基本操作は日本語で行えます。ただし、カスタマーサポートは英語が中心であり、日本語でのチャット・メール対応は限定的です。緊急時の対応を考慮すると、社内に英語対応可能な担当者がいることが望ましいです。
Proton VPN Business の通信速度は業務利用に十分ですか?
VPN Accelerator 技術の搭載により、一般的な業務利用(ビデオ会議・ファイル転送・クラウドサービスアクセス)には十分な速度を提供します。日本国内のサーバーに接続した場合、速度低下は概ね 10〜20% 程度に抑えられるとの口コミが多く見られます。ただし、海外の Secure Core サーバー経由時は遅延が大きくなる場合があるため、用途に応じた接続先の選択が重要です。
無料プランと Business プランの違いは何ですか?
無料プランは 1 台のデバイスで利用可能で、接続先は日本・米国・オランダなど一部の国に限定されます。Business プランでは全 110 か国以上のサーバーにアクセスでき、管理者コンソール・SSO 連携・Secure Core・NetShield など法人運用に必要な機能がすべて利用可能です。また、無料プランにはない専用サーバーへのアクセスが含まれます。
Proton VPN は中国やUAEなど規制の厳しい国で使えますか?
Proton VPN は「ステルスプロトコル(Stealth Protocol)」を提供しており、VPN トラフィックを通常の HTTPS 通信に偽装することで、厳格なファイアウォール環境でも接続できる可能性があります。ただし、国や時期によって接続状況は変動するため、海外出張前に公式サイトの最新情報を確認することをおすすめします。
他の Proton 製品(Proton Mail・Proton Drive)との連携メリットはありますか?
Proton VPN Business を契約すると、同一の Proton アカウントで Proton Mail(暗号化メール)や Proton Drive(暗号化クラウドストレージ)を統合的に利用できます。すべてのサービスがスイスのプライバシー法の下で運営されるため、メール・ファイル共有・VPN を一つのエコシステムでカバーしたい企業にとっては管理コストの削減につながります。
まとめ
Proton VPN Business は、スイスの厳格なプライバシー法・オープンソース設計・第三者監査という 3 つの透明性を武器に、法人向け VPN 市場で独自のポジションを確立しています。日本語サポートの限定性というデメリットはあるものの、GDPR 対応や ISMS 審査を見据えた企業にとっては、コンプライアンス面での優位性が際立ちます。
月額 6.99 USD/人(年額契約時)からの価格設定は中小企業にとって現実的な投資額であり、無料プランで事前検証が可能な点も導入ハードルを下げています。まずは管理者コンソールの操作感を確認し、自社の運用要件に合致するかを検証してみてはいかがでしょうか。
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この記事の根拠
- Proton VPN 公式サイト — 料金プラン・機能一覧・セキュリティ監査レポート(https://protonvpn.com/business)参照: 2026年7月
- Securitum — Proton VPN オープンソースアプリのセキュリティ監査報告書(https://protonvpn.com/blog/open-source/)参照: 2026年7月
- IPA(独立行政法人情報処理推進機構)— 「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」(https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme.html)参照: 2026年7月
※ 本記事に記載の料金・機能・仕様は 2026 年 7 月時点の情報に基づいています。最新の情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。