要点

  • NordVPN の法人利用には、企業向け専用プロダクト「NordLayer」が推奨されており、一元管理コンソール・ゼロトラスト対応・SAML SSO を標準搭載しています。
  • NordLayer の料金は月額 8 USD/ユーザー〜(Lite プラン・年払い時)で、従業員 50 名規模の場合、年間コストは約 4,800 USD からスタートできます。
  • 個人版 NordVPN と NordLayer は別製品であり、管理者ダッシュボード・ユーザー権限管理・請求書払い対応など法人に必要な機能は NordLayer のみで提供されます。

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この記事でわかること

  1. NordVPN の個人版と法人向け NordLayer の違い・使い分け
  2. NordLayer の主要機能(ゼロトラスト・SSO・管理コンソール)の詳細
  3. 料金プランの比較と、従業員規模別のコストシミュレーション
  4. 競合法人 VPN 5 製品との機能・価格・サポート比較
  5. 稟議書に記載できる ROI・コンプライアンス・導入実績のポイント

NordVPN の法人利用は可能か?企業向けプロダクトの全体像

NordVPN は世界で 1,400 万人以上のユーザーを持つ VPN サービスとして知られていますが、個人版 NordVPN をそのまま法人利用することは推奨されていません。個人版にはユーザー一括管理機能がなく、請求書払い(インボイス対応)にも対応していないためです。

法人・チーム向けには、同じ Nord Security 社が提供する NordLayer(旧 NordVPN Teams) という専用プロダクトが用意されています。NordLayer は 2022 年にリブランドされ、従来の VPN 機能に加えてゼロトラスト ネットワーク アクセス(ZTNA: Zero Trust Network Access)やクラウドファイアウォールなど、企業のセキュリティ要件を満たす機能が大幅に強化されました。

つまり、「NordVPN を法人で使いたい」と考えた場合、正しい選択肢は NordLayer を導入することです。本記事では、NordLayer を中心に、法人利用における機能・料金・評判を詳しくレビューします。


NordLayer の主要機能・特徴

ゼロトラスト ネットワーク アクセス(ZTNA)で社内リソースを保護

NordLayer は「信頼しない、常に検証する」というゼロトラスト(Zero Trust)の原則に基づき、社内システムへのアクセスをユーザー単位・デバイス単位で制御します。従来の VPN のように「接続すれば社内ネットワーク全体にアクセス可能」という状態を排除し、必要なリソースだけに最小権限でアクセスさせることが可能です。

具体的には、デバイスポスチャーチェック(OS バージョン・セキュリティソフトの有無を確認)や、IP ホワイトリストによるアクセス制御が標準で利用できます。

管理者ダッシュボードとユーザー権限管理

IT 担当者にとって最も重要な機能が、中央管理コンソール(Admin Panel) です。このダッシュボードから、以下の操作をブラウザ上で一元管理できます。

  • ユーザーの追加・削除・グループ分け
  • チームごとのアクセス権限設定(営業部は CRM のみ、開発部は AWS のみ、など)
  • 接続ログ・アクティビティレポートの確認
  • SAML 2.0 ベースの SSO(シングルサインオン)連携(Okta・Azure AD・Google Workspace 対応)

従業員の入退社時にもワンクリックでアカウントの有効化・無効化ができるため、情シス担当者の運用負荷を大幅に軽減できます。

専用ゲートウェイとクラウドファイアウォール

NordLayer の Core プラン以上では、専用ゲートウェイ(Dedicated Gateway) を利用できます。これは固定 IP アドレスが付与された専用サーバーであり、SaaS やクラウドサービス側の IP 制限(ホワイトリスト)と組み合わせることで、社外からのアクセスであっても社内と同等のセキュリティポリシーを適用できます。

さらに、DNS フィルタリングやクラウドファイアウォール機能により、マルウェアサイトやフィッシングサイトへのアクセスをネットワークレベルでブロックすることも可能です。

主要 OS・デバイスへの幅広い対応

NordLayer は Windows・macOS・Linux・iOS・Android に対応しており、ブラウザ拡張機能(Chrome・Firefox・Edge)も提供しています。リモートワーク環境で従業員が様々なデバイスを使用するケースでも、統一的なセキュリティポリシーを適用できます。

日本語サポートとコンプライアンス対応

NordLayer は GDPR(General Data Protection Regulation)・SOC 2 Type II・ISO 27001 に準拠しています。また、Nord Security 社はパナマ法人であり、データ保持法(ログ保存義務)の対象外です。第三者監査機関による独立監査(No-Log ポリシー監査)も実施済みで、日本の個人情報保護法やプライバシーマーク取得企業の要件にも適合しやすい構成となっています。

サポートは英語が主体ですが、24 時間対応のライブチャットとメールサポートが利用可能です。Premium プランでは専任のカスタマーサクセスマネージャーが付きます。


NordLayer の料金プラン

NordLayer は 3 つの主要プランを提供しています(※価格は年払い時の月額換算、2026 年 3 月時点の公式サイト掲載情報に基づきます)。

項目 Lite Core Premium
月額料金(年払い) 8 USD/ユーザー 11 USD/ユーザー 14 USD/ユーザー
月額料金(月払い) 10 USD/ユーザー 14 USD/ユーザー 18 USD/ユーザー
最低契約ユーザー数 5 名 5 名 5 名
ゼロトラスト対応 基本 完全対応 完全対応
専用ゲートウェイ × ○(1 個) ○(複数)
SSO(SAML 2.0) ×
デバイスポスチャー ×
クラウドファイアウォール × ×
専任サクセスマネージャー × ×
請求書払い対応 ×
14 日間無料トライアル

従業員 50 名・Core プラン・年払いの場合: 11 USD × 50 名 × 12 か月 = 年間 6,600 USD(約 99 万円※1 USD=150 円換算) となります。

※料金は為替レートや公式サイトの改定により変動します。最新価格は必ず公式サイトでご確認ください。

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競合法人向け VPN との比較

法人向け VPN を選定する際、NordLayer 以外にも複数の選択肢があります。以下の比較表で主要 5 製品を 8 項目で比較します。

項目 NordLayer Perimeter 81 Cisco AnyConnect Zscaler Private Access Twingate Tailscale
月額料金(年払い) 8 USD〜/ユーザー 8 USD〜/ユーザー 要見積り 要見積り 5 USD〜/ユーザー 6 USD〜/ユーザー
最低ユーザー数 5 名 10 名 制限なし 要相談 制限なし 制限なし
ゼロトラスト対応 △(別製品連携)
SSO 連携 ○(Core 以上)
管理コンソール
専用ゲートウェイ ○(Core 以上) × ×
日本語 UI △(一部対応) × × ×
無料トライアル 14 日間 デモのみ × デモのみ 14 日間 フリープランあり
導入の容易さ ◎(即日可能) △(要設計) △(要設計)
SOC 2 / ISO 27001

NordLayer の強みは、中小企業が即日導入できる手軽さと、ゼロトラスト対応を両立している点です。Cisco AnyConnect や Zscaler は大企業向けの包括的なソリューションですが、導入に数週間〜数か月を要し、初期費用も高額になります。一方、Tailscale や Twingate はコスト面で優れますが、専用ゲートウェイが不要な小規模チーム向けの傾向があります。

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NordLayer のメリット・デメリット

メリット

  • 導入が早い: アカウント作成から初期設定まで最短 30 分で完了し、専任のインフラエンジニアが不要です
  • スケーラブルな料金体系: 5 名から利用可能で、従業員数の増減に合わせてユーザー数を柔軟に調整できます
  • ゼロトラストと VPN のハイブリッド: 従来型 VPN の用途(IP 固定・全トラフィック暗号化)とゼロトラストの最小権限アクセスを 1 つのプロダクトで実現します
  • 第三者監査済みの No-Log ポリシー: ログを保持しない方針が独立監査で検証されており、コンプライアンス対応が容易です
  • 14 日間の無料トライアル: クレジットカード登録のみで全機能を試用でき、稟議前の技術検証に利用可能です

デメリット

  • 日本語サポートが限定的: 管理画面は英語主体であり、日本語対応のサポート窓口はありません。英語に不慣れな場合はやや障壁になります
  • Core 以上でないと法人機能が不十分: Lite プランでは SSO・専用ゲートウェイが使えないため、実質的に Core プラン以上が法人利用の最低ラインです
  • 国内データセンターの選択肢: 日本国内のサーバーロケーションは東京が中心で、冗長性を求める場合は大阪拠点の有無を確認する必要があります

こんな企業・ユーザーにおすすめ

リモートワークを推進する従業員 10〜200 名の中小企業

自社でオンプレミス VPN サーバーを構築・運用する人的リソースがない企業にとって、NordLayer はクラウド型 VPN の最適解の一つです。IT 担当者が 1〜2 名の組織でも、管理コンソールから全従業員の接続を一元管理できます。

SaaS を多用し IP 制限でアクセス管理したい企業

Salesforce・AWS・Google Workspace などのクラウドサービスを利用しており、IP アドレスベースのアクセス制御を行いたい場合、NordLayer の専用ゲートウェイが有効です。固定 IP を付与することで、社外からのアクセスでも一貫したセキュリティポリシーを維持できます。

海外拠点・出張が多くグローバルな接続が必要な企業

NordLayer は 30 か国以上にサーバーを展開しており、海外からの接続でも安定した通信品質を提供します。海外出張の多い企業や、海外拠点との通信が頻繁な企業に適しています。


稟議書に使えるポイント

  1. コスト削減効果: オンプレミス VPN サーバーの構築・保守コスト(サーバー機材費・人件費)を削減できます。Core プランは月額 11 USD/ユーザー(約 1,650 円)であり、従業員 50 名でも年間約 99 万円に収まります。自社サーバー運用と比較して、TCO(Total Cost of Ownership: 総所有コスト)を年間 30〜50% 削減できる可能性があります。

  2. コンプライアンス対応: SOC 2 Type II・ISO 27001 準拠、第三者監査済み No-Log ポリシーにより、個人情報保護法・ISMS(Information Security Management System)の要件を満たす証跡として稟議書に記載可能です。

  3. 導入実績: Nord Security 社は全世界で 15,000 社以上の法人顧客を持ち、Forbes・Shopify・Hostinger などの企業が NordLayer を導入しています(※公式サイト掲載の導入事例に基づく)。14 日間の無料トライアルで自社環境での検証を完了してから本契約に進めるため、リスクを最小化できます。


よくある質問

NordVPN の個人版を法人で使うことはできますか?

技術的には個人版 NordVPN を複数アカウント契約して社員に配布することも不可能ではありませんが、推奨されません。個人版にはユーザー一括管理機能がなく、接続ログの監査もできないため、情報セキュリティポリシーの要件を満たせません。法人利用には NordLayer を導入し、管理コンソールから全ユーザーを一元管理することを強くおすすめします。

NordLayer は日本語で利用できますか?

2026 年 3 月時点で、NordLayer の管理コンソールおよびクライアントアプリは英語表記が中心です。日本語の UI は一部対応にとどまります。ただし、設定項目は直感的なアイコンベースで構成されており、基本的な操作は英語に不慣れな方でも問題なく行えます。サポートは英語のライブチャット・メールが 24 時間利用可能です。

NordLayer の解約・ユーザー数変更は簡単にできますか?

NordLayer はサブスクリプション(Subscription: 定期購読)型の契約であり、管理コンソールからユーザーの追加・削除がいつでも可能です。年払い契約の場合、契約期間中のユーザー追加は日割り計算で請求されます。解約は契約更新日までに管理画面から手続きすれば、自動更新を停止できます。

既存の社内システム(Active Directory や Google Workspace)と連携できますか?

はい、NordLayer の Core プラン以上では SAML 2.0 ベースの SSO 連携に対応しています。Azure AD(現 Microsoft Entra ID)・Okta・Google Workspace・OneLogin などの主要な ID プロバイダー(IdP: Identity Provider)と統合できます。これにより、従業員は既存の社内アカウントで NordLayer にログインでき、パスワードの二重管理が不要になります。

NordLayer の通信速度は業務利用に十分ですか?

NordLayer は NordLynx(WireGuard ベースの独自プロトコル)を採用しており、従来の OpenVPN と比較して高速かつ低遅延な通信を実現しています。Web 会議(Zoom・Microsoft Teams)やクラウドストレージへのファイルアップロードといった一般的な業務用途では、体感速度の低下はほとんど感じられないレベルです。ただし、通信速度はインターネット回線の品質やサーバーまでの距離に依存するため、14 日間の無料トライアルで自社環境での速度を事前に検証することをおすすめします。


まとめ

NordVPN を法人利用する場合、個人版ではなく企業向け専用プロダクトの NordLayer を導入することが正しい選択です。NordLayer は、ゼロトラスト対応・管理コンソール・SSO 連携・専用ゲートウェイといった法人に必要な機能を網羅しつつ、月額 8 USD/ユーザーからという手頃な価格でスタートできます。

特に、従業員 10〜200 名規模の中小企業でオンプレミス VPN の構築・運用が負担になっている場合、NordLayer への移行で運用コストと IT 担当者の負荷を大幅に削減できます。14 日間の無料トライアルが用意されているため、まずは自社環境で検証し、技術的な適合性を確認したうえで稟議に進めることをおすすめします。

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※本記事に記載の料金・機能は 2026 年 3 月時点の情報に基づいています。最新の価格・仕様は公式サイトにてご確認ください。

この記事の根拠