要点

  • Make は月額 10.59 ドル(Core プラン)から利用でき、視覚的なフロー設計と 1 オペレーションあたりのコストの低さが中小企業に有利です
  • Zapier は 7,000 以上のアプリ連携に対応し、ノーコードで即日導入できる手軽さが最大の強みです
  • 法人導入では SOC 2 Type II 取得の有無・データ所在地・チーム管理機能の比較が稟議通過の鍵になります

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この記事でわかること

  1. Make と Zapier の料金プランを日本円換算で比較した最新テーブル
  2. 機能・連携アプリ数・UI の違いを 8 項目で横並び比較した結果
  3. 法人契約時に確認すべきセキュリティ基準(SOC 2・GDPR)の対応状況
  4. 「どちらを選ぶべきか」をユースケース別に整理した判断フレームワーク
  5. 稟議書に転記できる ROI・コンプライアンス根拠

Make と Zapier とは?業務自動化ツールの基本を理解する

Make(旧 Integromat)と Zapier は、いずれも異なる SaaS アプリケーション同士をコードなしで連携させる iPaaS(Integration Platform as a Service) と呼ばれる業務自動化ツールです。

Zapier は 2011 年に米国で創業し、7,000 以上のアプリ連携数と直感的な「トリガー → アクション」形式で業界最大手の地位を確立しました。一方の Make は、チェコ発の Integromat が 2022 年にリブランドしたサービスで、ドラッグ&ドロップ型のビジュアルフローエディタが特徴です。複雑な分岐やループ処理を視覚的に組み立てられるため、IT 部門が主導する中規模以上の自動化プロジェクトで採用が増えています。

日本市場では、リモートワークの定着とともに「Slack 通知の自動化」「Google Workspace と CRM の連携」「請求書データの自動転記」といったニーズが急増しており、この 2 つのツールは比較検討の筆頭に挙がるケースがほとんどです。


Make と Zapier の主要機能・特徴を比較する

連携アプリ数と対応サービスの幅

Zapier は 7,000 以上のアプリに対応しており、日本国内で多く使われる freee・マネーフォワード・Chatwork などとの連携も一部サポートしています。Make は 2,000 以上のアプリに対応しており数では劣りますが、HTTP/Webhook モジュールを使えば API 公開済みのサービスであれば独自連携が可能です。

ワークフロー設計の自由度

Make の最大の強みは ビジュアルシナリオビルダー です。条件分岐・ループ・エラーハンドリングをフローチャートのように配置でき、複雑な業務ロジックも一目で把握できます。Zapier は「Zap」と呼ばれる直線的なトリガー → アクション構造が基本で、シンプルな自動化に向いています。2024 年以降は Zapier Canvas という視覚エディタも追加されましたが、分岐処理の柔軟性では Make が依然として優位です。

オペレーション・タスクの数え方

料金に直結する重要な違いです。Zapier は 1 回のアクション実行を「1 タスク」と数えます。Make は 1 回のモジュール実行を「1 オペレーション」と数えますが、1 つのシナリオ内で複数モジュールを通過するとその分だけカウントされます。ただし Make の無料プランでも月 1,000 オペレーションが付与されるため、小規模な自動化ならコストを抑えやすい構造です。

セキュリティとコンプライアンス対応

法人導入で見落とせないポイントです。Zapier は SOC 2 Type II・SOC 3 を取得済みで、GDPR(EU 一般データ保護規則)にも準拠しています。Make も SOC 2 Type II を取得し、データセンターは EU(AWS フランクフルト)と US リージョンを選択可能です。日本国内にデータセンターを持つサービスではないため、個人情報の越境移転に関する社内規程との整合性を事前に確認してください。

チーム管理・権限設定

Zapier の Team プラン以上では、共有ワークスペースと役割ベースのアクセス制御(RBAC)が利用できます。Make の Team プラン以上でも同様にチームメンバーの招待・権限管理が可能です。いずれも SSO(シングルサインオン、Single Sign-On)は Enterprise プランで提供されるため、大企業の ID 管理要件がある場合は上位プランの検討が必要です。


Make と Zapier の料金プランを比較する【2026年最新】

以下は 2026 年 7 月時点の公式サイト掲載価格です。為替レートにより日本円換算は変動します(1 ドル=約 150 円で参考換算)。

プラン Make(月額・年払い) Zapier(月額・年払い)
無料 0 ドル/月 1,000 オペレーション 0 ドル/月 100 タスク
エントリー Core: 10.59 ドル(約 1,589 円)/月 10,000 オペレーション Professional: 29.99 ドル(約 4,499 円)/月 750 タスク
ミドル Pro: 18.82 ドル(約 2,823 円)/月 10,000 オペレーション+優先実行 Team: 103.50 ドル(約 15,525 円)/月 2,000 タスク
エンタープライズ Enterprise: 要問合せ/カスタム Enterprise: 要問合せ/カスタム
追加タスク単価目安 約 0.001 ドル/オペレーション〜 約 0.01 ドル/タスク〜

※ 上記は公式サイトの掲載情報に基づく参考値です。最新の正確な料金は各サービスの公式ページでご確認ください。

ポイント: 同じ業務フローを自動化した場合、Make はオペレーション単価が Zapier の約 1/5〜1/10 になるケースがあります。月間タスク数が 5,000 を超える運用では、Make のコスト優位性が顕著になります。

Make 公式サイトで料金プランの詳細を確認する


Make と Zapier を 8 項目で横並び比較する

比較項目 Make Zapier
連携アプリ数 2,000 以上 7,000 以上
無料プラン上限 月 1,000 オペレーション 月 100 タスク
ワークフロー設計 ビジュアルフロー(分岐・ループ対応) 直線型 Zap+Canvas(分岐は制限あり)
有料プラン最安値 10.59 ドル/月(年払い) 29.99 ドル/月(年払い)
SOC 2 Type II 取得済み 取得済み
SSO 対応 Enterprise プラン Enterprise プラン
日本語 UI 一部対応 非対応(英語のみ)
サポート言語 英語 英語

Make と Zapier のメリット・デメリット

Make のメリット

  • コストパフォーマンスが高い: 無料プランで月 1,000 オペレーション、有料プランも月額約 1,589 円からと低価格です
  • 複雑なワークフローに強い: 条件分岐・ループ・エラーハンドリングを視覚的に設計でき、業務ロジックの見える化が容易です
  • UI が一部日本語対応: 管理画面の一部が日本語化されており、英語に不慣れな担当者でも操作しやすい傾向があります

Make のデメリット

  • 連携アプリ数が Zapier の約 1/3: ニッチな SaaS との連携は Webhook で個別対応が必要になる場合があります
  • 学習コストがやや高い: ビジュアルエディタは高機能な反面、初見では操作に慣れるまで時間がかかります

Zapier のメリット

  • 連携アプリ数が業界最多: 7,000 以上のアプリに対応し、日本のサービスとの連携もカバー範囲が広いです
  • シンプルな UI で即日導入: 「もし〇〇なら△△する」形式で直感的にワークフローを構築できます
  • 豊富なテンプレート: コミュニティが作成した数千のテンプレートからワンクリックで自動化を始められます

Zapier のデメリット

  • タスク単価が高い: 月間実行数が増えると費用が急増しやすく、大量処理にはコスト面で不利です
  • 複雑な分岐処理が苦手: 多段階の条件分岐やループ処理は Zap の構造上、設計が煩雑になります

こんな企業・ユーザーにおすすめ

Make がおすすめのケース

  • 月間タスク数が 5,000 件以上 の中規模〜大規模な自動化を検討している企業
  • 条件分岐やエラーハンドリングを含む 複雑な業務フロー を構築したい情シス部門
  • ランニングコストを最小化しつつ 段階的に自動化範囲を拡大 したいスタートアップ

Zapier がおすすめのケース

  • 10 種類以上の SaaS を横断的に連携させたい、アプリ数重視の企業
  • IT 専任者がおらず、総務・営業担当がノーコードで即日構築 したい小規模企業
  • まず 無料〜低コストで小さく始めて 効果検証したいチーム

両方の併用が有効なケース

  • コア業務は Make で複雑なフローを構築し、周辺業務は Zapier のテンプレートで迅速に対応する「ハイブリッド運用」も選択肢の一つです

稟議書に使えるポイント

  1. ROI(投資対効果): Make の Core プランは月額約 1,589 円(10.59 ドル)で月 10,000 オペレーションを処理できます。手作業のデータ転記を月 20 時間削減できた場合、人件費換算で年間約 72 万円(時給 3,000 円×20h×12 ヶ月)のコスト削減が見込めます
  2. セキュリティ基準: Make・Zapier ともに SOC 2 Type II を取得済みで、GDPR に準拠しています。ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得している企業でも、監査対応の根拠資料として提示可能です
  3. 導入実績・市場規模: Zapier は全世界で 220 万社以上が利用(公式サイト掲載値)、Make は 50 万以上の組織で利用されています。Fortune 500 企業を含むグローバルな導入実績があり、サービス継続性のリスクは低いと評価できます

よくある質問

Make と Zapier はどちらが安いですか?

同じ業務フローを自動化した場合、オペレーション(タスク)単価は Make の方が大幅に低くなります。Make の Core プランは月額 10.59 ドルで 10,000 オペレーション、Zapier の Professional プランは月額 29.99 ドルで 750 タスクです。月間の実行回数が多い企業ほど Make のコスト優位性が際立ちます。ただし、Zapier の無料プランはシンプルな自動化を月 100 タスクまで試せるため、小規模運用での検証には十分です。

Make と Zapier のセキュリティ対応に違いはありますか?

両ツールとも SOC 2 Type II を取得しており、通信は TLS 1.2 以上で暗号化されています。Zapier は SOC 3 レポートも公開しています。Make はデータセンターのリージョン(EU または US)を選択可能です。いずれも日本国内にデータセンターを持たないため、個人情報保護法に基づく越境移転規定への対応は社内の法務・コンプライアンス部門と事前確認することを推奨します。

日本語サポートは受けられますか?

2026 年 7 月時点では、Make・Zapier ともにカスタマーサポートは英語が基本です。Make は管理画面の一部が日本語に対応していますが、Zapier の UI は英語のみです。日本語でのサポートが必須の場合は、国内の導入支援パートナーやコンサルティング企業を活用する方法も検討してください。

Make の「オペレーション」と Zapier の「タスク」の違いは何ですか?

Zapier の「タスク」は Zap 内で実行される 1 つのアクション(例: メール送信 1 回)を 1 タスクと数えます。Make の「オペレーション」はシナリオ内で各モジュールが実行されるたびに 1 オペレーションとしてカウントされます。例えば、5 つのモジュールを持つシナリオが 1 回実行されると 5 オペレーション消費されます。見かけの数字だけでなく、実際の業務フローでの消費量をシミュレーションしてから比較することが重要です。

n8n など他の業務自動化ツールも検討すべきですか?

n8n はオープンソースのセルフホスト型自動化ツールで、サーバー管理ができるエンジニアがいる企業には有力な選択肢です。ただし、運用・保守の負荷がかかるため、専任の IT エンジニアがいない中小企業には Make または Zapier のクラウド型サービスの方が現実的です。自社の技術リソースと運用体制に応じて検討してください。


まとめ:Make と Zapier、自社に合った業務自動化ツールを選ぶために

Make と Zapier はいずれも業務自動化の有力なツールですが、選定の軸は「コスト」「ワークフローの複雑さ」「連携アプリ数」 の 3 つに集約されます。月間タスク数が多く複雑な分岐処理が必要な企業には Make、アプリ連携の幅広さとシンプルな操作性を優先する企業には Zapier が適しています。

まずは両ツールの無料プランで実際の業務フローを 1 つ自動化し、オペレーション消費量と操作感を比較することをおすすめします。本記事の料金テーブルと稟議書ポイントを活用し、自社に最適なツールを選定してください。

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この記事の根拠

※ 記事内の料金・機能・仕様は各サービスの公式情報に基づいていますが、変更される可能性があります。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。